第30回(東京)記念大会 開催案内(第一報)
日本セトロジー研究会第30回(東京)記念大会
主旨
東南アジア各国における人類と海棲哺乳類の共存状況は様々な多様性をもつ.国立科学博物館では,台湾,タイ、ミャンマーをはじめとする国々で,現地の研究機関と協力しその多様性を把握すべく調査研究を実施し、インベントリーを作成してきた.その過程で、各国の学術研究の状況・水準は様々であるが、現地の研究者・博物館職員達は海の哺乳類を研究し、それに伴う標本・資料を回収・管理すべく非常な熱意をもって活動していることを実感した。しかしながら、国際的な交流や情報共有の環境、ならびに研究・教育のインフラ整備が整っていないため、収集された標本をどのように活用すべきか、有意義な研究を推進するためにはどのようにして標本・資料を収集・作成・管理することが適切なのか、さらには個々の国の現状の中で何ができるのか?が切実にわからない・決められない国が多い現実にも直面した。わが国では、1930年代からの鯨類研究の歴史があり、当初は捕鯨個体が主たる研究対象であったが1980年代以降、ストランディング個体を中心とした標本収集とそれらを活用した研究が進められてきた。日本海セトロジー研究会として発足した日本セトロジー研究会もその一翼を担い、謎のクジラであったオウギハクジラ(Mesoplodon
stejnegeri)の実態解明など日本を取り巻く海域の鯨類について調査研究を進めてきた。近隣のアジア諸国でも、鯨類研究の状況は様々であるが、いずれにせよアジア諸国の研究者は互いに啓発しながら海の哺乳類に対する理解を深め、我々世代が受け継いだ海の哺乳類の多様性を可能な限り劣化させることなく次の世代に引き継ぐことができるよう協力しあって行くことが重要と思われる。
そのため、東アジア諸国の研究者や博物館関係者を招聘し、各国における問題点や現状の紹介、様々な研究活動の成果の報告を受けることを目指したい。
国立科学博物館で継続している基盤研究「ストランディング個体を活用した博物館活動」の成果として、2019年3月21日から6月16日まで開催する特別展「大哺乳類展2-みんなの生き残り作戦-」によって、標本活用の具体例を体感する機会を提供する。また、上述した日本セトロジー研究会(セト研)は本年で第30回記念大会(東京大会)を迎えるので、セト研会員である国内研究者によるこれまでの活動の総括や、研究の具体例の紹介をお願いし、アジア各国の研究者と共に、海の哺乳類について、標本の収集・管理・活用と、それらを基盤とする有機的な研究推進について語り合う。
主催等
主催:国立科学博物館
共催:日本セトロジー研究会
協賛:(公財)東芝国際交流財団
開催案内
会期
2019年6月8日(土),9日(日),10日(月)
会場
6月8日,9日
〈国外招聘者講演会(公開・無料),国内招聘者講演会(有料)〉
国立科学博物館日本館・講堂
6月10日
〈エクスカーション:科博・筑波研究地区の標本資料棟・標本作製室見学ツアー※有志のみ〉
国立科学博物館・筑波研究地区
日程
6月8日
9:00~17:00
国外招聘者講演会(公開):各国の海の哺乳類に関する現状……参加無料(要事前申込、第二報にある申込フォームよりお申込みください)
*言語:英語(同時通訳付き)
18:00~20:00
懇親会
6月9日
9:00~17:00
国内招聘者講演会:海の哺乳類の研究について……大会参加費がかかります(要事前申込、第二報にある申込フォームよりお申込みください)
*言語:英語(同時通訳付き)
昼休憩時にセト研会員によるポスターセッションを行う
6月10日
13:00~17:00
エクスカーション
国立科学博物館・筑波研究地区
科博・筑波研究地区の標本資料棟・標本作製室見学ツアー
※今後内容が追加される可能性もあります。
施設の都合上,参加人数を制限させていただく場合がございます。
参加費
特別公開講演会:無料 (参加は事前申込制)
研究会:一般会員2,000円、学生会員1,000円、一般非会員3,000円、学生非会員2,000円
懇親会:一般会員・非会員6,000円前後、学生会員・非会員3,000円前後
(ホームページで最新情報をご確認ください)
・大会参加費・懇親会費は、大会当日に会場受付でお支払い下さい。
・学生(学部生、大学院生、研究生)参加者:当日「学生証」の提示をお願いします。
参加申込
参加申込方法につきましては、第二報をご覧ください。
宿泊
各自で手配下さい。
問い合わせ先
日本セトロジー研究会第30回(東京)記念大会実行委員会
実行委員長 田島木綿子(国立科学博物館動物研究部脊椎動物研究グループ)
Eメール: cetoken30(at) gmail.com(スパム防止のためアットマークを(at)で表記しています)
電話: 029-853-8413
実行委員会
日本セトロジー研究会第30回(東京)記念大会
大会会長 山田 格(国立科学博物館)
実行委員長 田島木綿子(国立科学博物館)
実行委員 松田純佳(北海道大学)
主森 亘(国立科学博物館)
塩崎 彬(国立科学博物館)
西真庭恵子(筑波大学連携大学院)