第23回(松島)大会あいさつ

先日、三陸沖での調査捕鯨が2年ぶりに再開され、1頭目のミンククジラが石巻市の鮎川港に水揚げされたというニュースが各新聞社の書面を賑わせました。2年間の調査中止を余儀なくされたのは、誰もが克明に記憶している昨年3月11日の東日本大震災のためです。東北地方の太平洋海岸を中心に甚大な被害をもたらした巨大地震と大津波は、松島湾に面する町々にも大きな被害を与え、当館も一時は休業を余儀なくされました。
しかし、全国の皆様からの多大なご支援、ご声援のもと、異例の早さでの復興・再オープンを迎え、東北地方復興の先駆けとなるべく本日まで邁進してまいりました。
今回、伝統ある本大会が被災地松島で開催されることを心より光栄に感じています。
当館が面する松島湾は、松尾芭蕉の「あぁ松島や」でも知られる260余りの島々が美しい情景を生みだし、日本三景のひとつに数えられています。湾内は水深が浅くアマモが群生し(津波により多くが消失したため、現在藻場の回復を目指しています)、ハゼやアナゴなどの魚類の他、カキやアサリといった貝類も多数見られ、特にカキに関しては古くから養殖が盛んに行われてきました。また、松島湾と石巻湾を包括する仙台湾に生息するスナメリが時折姿を現すことがあります。
その他にも、百人一首にも詠まれた霊場の島・雄島があり、松島町内には伊達政宗が再興した瑞巌寺、「薔薇寺」とも呼ばれる円通院、五大堂などの寺院、伊達家の迎賓館で月見のための施設でもある観瀾亭などの歴史的建造物が数多く立ち並び、更には松島港からは湾内一周島巡り遊覧船と塩釜港往きの定期船が出ています。
当館では、松島湾でみられる生物をはじめ、イロワケイルカなどの国内の水族館では希少となった動物も飼育しています。
ぜひ参加者の皆様には大会での有意義な時間とともに、松島の地をご堪能いただければ幸いです。会員の方々は口頭およびポスター発表にもふるってご参加をお願いいたします。
大会会場である松島公民館へはJR東北本線「松島駅」下車、徒歩10分。マリンピア松島水族館へはJR仙石線「松島海岸駅」下車、徒歩3分となっております。

日本セトロジー研究会第23回(松島)大会会長
西條正義(マリンピア松島水族館館長)